2017/01/03

“外の視点”で研究施設を掘り起こす(京大)


あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、早速ですが、今年最初の更新です。今回、取り上げるのは、年末に取り上げようと思って、結局、書けなかった京都大学の研究施設の記事について。京大に限らず、今後、国立大学ではこういったことが増えていきそうです。

以下、朝日新聞デジタルより。


京大が芦生の森保護へ、寄付募る バッグ進呈も 
国内有数の天然林が広がる「芦生の森」として知られる京都大芦生研究林(南丹市)を守ろうと、京都大フィールド科学教育研究センターが基金を設立した。26日からインターネットで1口1千円から寄付を募る。(後略)

けっこう前に、京大の「花山天文台」の同様の活動について本ブログの記事で取り上げたことがあります。国立大学の運営費交付金が年々けずられていることもあり、こういった活動は、今後、京大だけでなく、いろんな大学で起こってくるように思います。

今回の「芦生の森」も、「花山天文台」も、研究施設を維持・存続させるために、一般の人からの寄付を広く呼びかけています。しかし、いち一般人の感覚からすると、なかなか寄付しようという感覚にならない。なんというか、ピンとこないんです。

多くの一般の人は“研究”にも“研究施設”にもそこまで興味がありません。だから、対象となる施設がいかに貴重であるか、また重要であるかを訴えても、研究者ならともかく、一般の人だと実感がもてない。だから大事なのは、寄付の呼びかけよりも、まずは理解してもらうことであり、理解をうながすための体験を提供することじゃないかと思います。

とはいえ、京大では学外の教育研究施設を秋に一斉公開する「京大ウィークス」をやっているし、それぞれの施設で独自の取り組みもやっており、国立大学のなかでは、かなり施設開放に力を入れている大学です。

でも、これらイベントはあくまで“研究施設”を知ってもらうためのものです。そもそもの視点を変えて、一般の人がこれら施設のどこに魅力を感じるかを考え、とらえなおす。そして一般の人が楽しむことを第一目的にしたイベントやツアーを開催し、そこから収益をあげる。さらに、それらイベントやツアーで理解を深めてもらった人をメインターゲットにして寄付を募る、そんなアプローチがいるように思います。

たとえば、「芦生の森」の自然を生かしたトレイルランのイベントであったり、「花山天文台」を会場にした天文ファン対象の婚活パーティーなどなど。これは今のトレンドに熟知したイベント会社や旅行会社なんかと組んでやるのが早道かもしれません。

大学の中の人と、外の人では、面白いと思うものにけっこうズレがあります。これは「ほとんど0円大学」を運営するようになって、ひしひしと感じていることです。そういったズレを解消して、うまく魅力を打ち出していくことができれば、大学の施設運営はもっとスムーズにいくのかもしれません。わたしも大学に外から関わるものとして、何かそういったことのお手伝いができればと思っています。

最後に、「芦生の森」と「花山天文台」それぞれの基金をご紹介しておきますね。志のある方は、ぜひご寄付をよろしくお願いいたします!

・芦生研究林基金 https://fserc.kyoto-u.ac.jp/wp/asiufund/
・京大天文台基金 https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/kikin/

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