2016/10/09

“大学が地域をもてなす日”をどう活用するか(札幌学院大)


10月に入り、そろそろ本格的に学祭シーズン到来です。学祭の中には東京農大のダイコンアートや東京外大の専攻語料理店など、独自の名物企画があるところもあり、これら企画を目当てに学祭を巡るというのも、ちょっとマニアックな学祭の楽しみ方です。

今回、見つけた札幌学院大学の取り組みも、間違いなくそんな名物企画の一つに入りそうです。はじめ記事を読んだとき、おっ! と声が出るほどのインパクトを感じました。

以下、大学プレスセンターより。


札幌学院大学の鶴丸俊明学長が10月7・8日に「鶴マルシェ」を開催 -- 在学生の保護者や卒業生などの生産物を学長自ら販売 
札幌学院大学(北海道江別市)の鶴丸俊明学長は10月7日(金)・8日(土)に「鶴マルシェ」を開催する。これは、学長自らゼミナールの学生らとともに店頭に立ち、舞茸やかぼちゃ、米などを販売するもので、一昨年から開催している。入場無料、事前申し込み不要。(後略)

札幌学院大の学祭では、なんと学長が「鶴マルシェ」という店を出して、学生の保護者や在学生がつくった農作物などを売るようです。

学長が手ずから売るとなると、つくり手である保護者や卒業生は、かなりうれしいんじゃないでしょうか。ちなみに大学の公式Facebookに学長のご尊顔が載っていたのですが、白ひげを生やしてニコニコした方で、この人ならこういうことしてくれそう! と思わせる人徳を感じさせるお顔立ちをした方でした。

学祭の目玉企画というと、独自の名物企画をもっていない場合、アーティストやお笑い芸人のライブなど、外から著名人を呼んでくるものになりがちです。たしかに、こういった企画は集客効果が高いのですが、あまりその大学らしさを感じることができません。

しかし、今回の大学関係者の農作物を販売する、しかも学長みずから、というのは、地味ではあるけれど、かなり強烈に大学らしさが出ています。さらにいうと、学祭はある意味では“大学が地域をもてなす日”なわけです。そんな日に、主みずから率先してもてなすのは、間違いなく好感度UPにつながります。

学長は大学の“顔”ではあるものの、地域の人との接点はそうそうありません。それに公開講座やシンポジウムなどで接点をつくったとしても、それでは距離があり、親しみが生まれないように思います。そう考えると、1年で最も大学が地域に開かれる日(おそらく)である学祭のときこそが、学長と地域が交流するベストタイミングなのではないでしょうか。

こういったアナログなつながりは、広告ではつくれないものだし、非常に効果的に大学をアピールする手法になるはずです。それに、アーティストのライブなどが前に出ると、どうしてもビジネスの匂いがしますが、こういった取り組みが目玉になる学祭は、あたたかみが感じられて個人的にすごく好きです。

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