2016/09/18

手を取り合えばうまくいく!? 素敵な一般向け取り組みのつくり方


研究成果をもとにしたシンポジウムや大学秘蔵の文化財の公開など、大学の一般向けの取り組みは、マニアックなものが多くあります。そして、このマニアックさは、ニアリーイコールで大学らしさであり、参加者にとって大きな魅力になります。

でも一方、マニアックゆえに興味がない人にはまったく琴線に触れない。さらに興味のあるものを探そうにも、大学の一般向けの取り組みは告知に使える費用が限られているため、広告がほぼ出せず、大学HP等を注意深く見ていないとすぐ見過ごしてしまうんですね。こういった状況なので、自分が興味のあるイベントを見つけるというのは、実はかなり手間なのです。

こういった大学の一般向けの取り組みが持つジレンマを上手に解消したイベントを見つけたので、今回はこちらをご紹介します。大切なのは、手を取り合うことです。

以下、リセマムより。


公開講座や実験教室ほかもりだくさん「国立大学フェスタ2016」10・11月 
国立大学協会は、10月と11月の2か月間「国立大学フェスタ2016」を開催する。この期間、全国の国立大学でシンポジウムやオープンキャンパス、公開講座、市民講座など合計609件のイベントが行われる。会場は全国の国立大学。対象は子どもから大人までで、基本的に参加費は無料だが、公開講座など一部有料のものもある。(後略)

今回の「国立大学フェスタ」は、端的に言うと、大学間の壁を越えて大量の取り組みを一定期間にまとめて開催するイベントです。実施する取り組みが多いため、自分の興味にはまるものを見つけやすくなるし、イベントの規模が大きくなることでメディアに取り上げられる可能性も高まります。さらに、取り組みに関わる大学が細々とであっても自校のHP等で告知することで、一大学で開催する場合に比べて、はるかに高い訴求力を発揮します。

ちなみに「国立大学フェスタ」以外だと、ひらめき☆ときめきサイエンス」や公開講座フェスタなんかが同じような手法を取り入れています。規模やエリアをもう少し限定していくと、各地域の大学コンソーシアムが主催する公開講座や生涯教育講座も複数大学がコンテンツを提供しており、通じるものがあります。

また取り組みの主旨は変わるのですが、京都の学生が大学の壁を越えて開催する「京都学生祭典」や、早稲田大学など東京の8大学が実施する「東京学園祭合同PRイベント」なんかも、複数大学が集まることでイベント内容を充実させ、訴求力を上げているので、同じ手法だといえるかもしれません。

とにかく、大学の一般向けの取り組みの多くは、お金がなくて、内容もマニアック(明け透けにいうなら地味で一般受けしない…)。でも、丁寧につくられていて、内容も濃く、その人の興味関心にかなえば本当に面白い、そんな取り組みがたくさんあるのです。これらを上手くアピールするために、大学間の壁を越える、というのは本当にいい方法だと思います。

もし共同でイベントをするのが難しいなら、共同出資で一般向けの取り組みをまとめたチラシやフリーペーパーをつくって配布するだけでも意味があるように思います。このとき、行政などの協賛が得られればなおいいんでしょうね。なんしかです、大学の一般向けの取り組みは面白いものが多いのです。ほんと、もったいないなぁと思うのです。

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