2016/09/10

大学アプリはそうじゃないだろ、という話(早稲田大 他)


高校生の8割以上がスマホを使っている現在、スマホアプリは高校生とコミュニケーションをとる上で、十分に検討に値する手段です。実際のところ、大学のアプリが毎年増えている! という印象は受けませんが、それでも取り組んでいる大学は少なくないようです。

以下、リセマムより。


【大学受験2017】スマホアプリで手軽に受験情報、法大・早大・立大ほか 
受験シーズンを前に、各大学では受験生向けの入試情報や学校情報などを閲覧できるスマートフォン用の無料アプリを配信している。法政大学は受験生向けの動画、早稲田大学は模擬講義が視聴できるなど、大学の魅力や役立つ情報をスマホで手軽に確認できる。(後略)

記事で紹介されているアプリを触ってみたところ、どれも自校の情報がたっぷり入っており、情報収集や、入試やイベント等の情報を整理するのに役立ちそうでした。

中でも早稲田大学のアプリが受験生だけでなく、在学生、保護者、卒業生、教職員といった関係者すべてを対象にしているだけあって、情報の充実ぶりが目を見張りました。あと、同じく早稲田大のアプリですが、開発元のところが企業名ではなく、早稲田大の名が記載されており、このアプリは早稲田大が独自で開発したのか? というのが気になりました。

こういったアプリを見ていると、その大学への志望度が高い人にとっては、とてもありがたいツールになるだろうなと感じます。でも一方、それ以外の人だと、わざわざアプリを落としたりしないんじゃないの? という気も。

だって無料wifiにつないでいないと、パケット料金がかかるわけだし、検索して見つけて落とすっていうのは、たいしたことないようでいて、ちょっとした手間ですよ。それにですね、少し意地悪なことを言うと、アプリを落とすぐらい志望度が高い高校生なら、アプリがなくてもたぶん受験するんじゃないでしょうか。

じゃあ、アプリは入試広報にとって不要なツールなのかというと、私はそうは思いません。今の高校生って、ほんっとものすごい時間、スマホに費やしているわけです。この重要な接点となるアプリを切り捨ててしまうのは、とてももったいないことです。

なら、どうすりゃいいんだよっていう話ですが、私が思うのは、志望度が低い人でも落としたくなるアプリを開発するのが、大事なように感じます。たとえば、大学教員監修のもと、受験勉強で疲れた頭をリラックスさせる方法をまとめたアプリとか、どこかの芸人とコラボして歴史の年号を楽しく覚えられるアプリとか、そもそも受験とか無視してしまって、ダイエットやファッション、美容など、高校生が興味ありそうなテーマについて掘り下げたアプリでもいいかなぁという気がします。

自校に興味がなくても、高校生が落としたくなるアプリをつくる、ただただ高校生が興味を引くアプリをつくる。しかも、お金を使って本気でつくる。何が悲しくてボランティアで、こんなトンチンカンなことをしなくてはいけないのかと思われるかもしれません。

でもそうじゃないんです。アプリの内容に少しでも自校の“らしさ”が入っていたら印象に残るし、それに何より、毎日、高校生が触っているスマホのホーム画面に自校の名前が出るわけです(アプリ名に大学名を入れていれば!)。

スマホのホーム画面は、今や高校生にとってテレビの画面よりも見ている超強力なメディア(?)です。だから、考え方を大きく切り替えてしまって、アプリの開発費という出稿費を払って、高校生のスマホのホーム画面に広告を出稿する、そういう意識でアプリをつくるのが大切なのです。

今のところ、この発想でつくられている大学アプリを見たことがないので、今だとかなり注目をあびるんじゃないでしょうか。

ちなみに、ワタクシ、学校系のアプリをこれまでにいくつもつくったことがあり、きっとお役に立てると思うんですよねぇ…。ゴホン、ゴホン。

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