2016/01/03

サイトを使って、社会に飛び出ず社会を知ろう(横浜商科大)


明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します!

さて、いきなりですが、今年最初に取り上げるのは、横浜商科大学の学生たちがつくる商品企画販売サイト「YOT(よっと)」です。このサイトがオープンしたという記事を12月上旬に見つけてぜひ取り上げようと思いつつ、あーだこうだしているうちに、だいぶ時間が経ってしまいました…。面白い取り組みなので、ぜひ紹介させてください。 

以下、大学プレスセンターより。


学生が授業でインターネットを利用した商品企画販売サイト「YOT」をオープン -- 横浜商科大学 
横浜商科大学はこのたび、授業で企画した商品の企画販売サイト「YOT(よっと)」をオープンした。これは経営情報特論A「インターネットを利用した商品企画販売」の中で学生たちが考えた商品を販売するもの。同大吉田隆弘講師、有限会社0.1tの協力で実現した。(後略)

横浜商科大の学生たちが企画した商品を販売するサイト「YOT(よっと)」


学生たちが商品をつくったり、プロデュースしたりして販売する取り組みは、芸術系大学であれば、そこまでめずらしいものではありません。

たとえば、京都精華大学の「kara-S」は、京都精華の在学生や卒業生の作品を販売するセレクトショップですし、大阪芸術大学では毎年卒業展の作品をオークション形式で販売しています。他にも、京都市立芸術大学で「SILENT @KUA」という在学生、卒業生、教員などの作品をオークション形式で販売するチャリティイベントもあったりします。

しかし、芸大ではなく、一般の大学となると話は別です。しかも、今回の「YOT」は商品づくりから販売する仕組みづくり、マーケティングやプロモーションまで、かなり広範な部分に学生たちが携わっており、芸大とは重点を置くべきところがかなり異なっています。芸大の場合、つくった作品が社会にどう評価されるかがポイントになりますが、「YOT」はサイトを通じて社会を知ることが目的になっているからです。

さらにいうと、大学の社会を知るための取り組みというと、インターシップなんかに代表されるように、企業との接点を重視するものが多くを占めます。でも、「YOT」はこれとも少し違っていて、企業ではなく、消費者を通じて社会を知ります。

これって、けっこういいと思うんですね。というのも、企業との接点は、受け入れてくれる企業ありけりですが、消費者との接点なら、学生たちが主体となってつくりだすことができます。しかも「YOT」は夏季集中講義で立ち上げたサイトで、紹介動画を見る限り参加しているのは1年生ばかり。ノウハウをもった先生がきちんと指導すれば、比較的容易にできるように感じました。

この手軽さは社会を知る最初の一歩として、かなりいいんじゃないでしょうか。しかも、芸大とコラボして作品を販売したり、自治体と一緒に名産品を販売したりなど、工夫次第でいろいろな展開が望めそうなところも魅力的です。

あえて社会に飛び出さず、まずは教室で社会とつながってみる。「YOT」には、そんなキャリア教育の変化球的な側面があるように思います。

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