2015/09/13

時期を変えても変わらない就職活動


今年度の就職活動といえば、学生が学業を優先できるように開始時期がかつてないほど後ろ倒しされたことで話題になりました。選考解禁日が81日。私が就活をしていたときを振り返ると、半年以上の後ろ倒しです。でも、いろいろな弊害もあったようで、来年、再見直しされるみたいですね。

以下、Yahoo! ニュースより。

<就活>日程、再見直しへ 経団連会長「4月選考も選択肢」 
経団連の榊原定征会長は、7日の定例記者会見で、来春入社の大学生の選考解禁日を8月1日とした経団連の新しい指針について、「抜本的には無理だが、何らかの改善は可能だ」と来年の採用活動を前に制度変更を検討する方針を示した。企業側、学生側双方から不満が出ていることを受けた発言で、将来的に選考解禁日を従来の4月1日に戻す可能性についても「選択肢としてはあり得る」と述べた。
(後略)

前々から感じていたのですが、これって時期の問題なんでしょうか。だって選考がずれたことで、ある程度、就活の期間は短縮されると思いますが、それでも早い人で2ヶ月、長い人なら半年以上かかる可能性もあるわけです。さらに説明会などは4月からスタートしているわけで、これらイベントから勘定すると結局半年から1年、就活に関わることになります。

これだけ期間がかかると、開始が早かろうが遅かろうが、どうしたって学業の邪魔になるように思うんですね。時期は関係ない、というかどうしようもないんじゃないかと思うのです。

また、たとえ就活がなくても、クラブにアルバイト、恋愛などなど、学生生活には学業より優先したくなるイベントがたくさんあります。しかしそうであっても、学業をおろそかにしない人は、おろそかにしません。

つまり、就活(やその他もろもろ)があっても、やろうと思えばやれる。必要なのは、やりたくなる仕組みづくりです。

201594日の朝日新聞に、エントリーシートでなく成績表を使って面接をする企業が増えてきている、という記事がありました。これは一例ですが、学業の成績が就活に直接活かされるようになると、学生たちの学びへのモチベーションはあがりますよね。

けっこう前から就活の現場では、企業が求めるのは、学業の成績よりコミュニケーション能力などの社会人基礎力だと言われています。これが学生たちに浸透した結果、就活と大学の学びとはリンクしないものだととらえられるようになったように感じます。さらにいうと、クラブや課外活動を頑張った方が、コミュ力等がつき就活の役に立つ、そんな風に考える人が増えてきたと。

この風潮(現実?)を変え、学業を頑張っている人、そして就活時も学業と就活を両立できる人を、企業が高く評価するようになれば、このずっと言われ続けている就活問題は解決するのではないでしょうか。それに、この問題を抜きにしても、学業を頑張っている人は評価するべきだと思います。やるべきことを、やるべきときにちゃんとやる。これは分野を問わず社会人に求められる最低限かつ最重要なモラルとスキルです。学生時代のやるべきことは学業なわけで、それができている人は、やはり信用がおける人だと思うのです。

他にもこの問題を解決するためには、新卒ブランドを失うと就活が急に不利になるという日本社会の構造を変えることも大事なように思います。でもこちらはより大きな話になるうえ、私のよく知らない分野の話になりそうなので、今回はやめておきます。

とにかく、就活と学業を天秤にかけるようなイメージを学生たちが持っていてはダメ。就活も学業も同じ側の皿にのっていなければ、学生は不幸だし、延いては産業界と大学業界、両方の損失につながるのではないか。そんなふうに思うのです。

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